私たちの仕事は、台本に書かれた文字の世界観を実際のセットに落とし込み、道具の調達から飾りを通して、その世界観を具現化・表現して行く仕事です。番組の設定やコンセプトに沿った飾りを考え、セットに命を吹き込む事が小道具・装飾の役目なのです。その作品を魅力的に見せるかどうかは、小道具・装飾の仕事（技）だと言っても過言ではありません。
「小道具」という響きから、小さい物？を想像されるかもしれません。例えば、デスク上のファイルやノート・筆記具など、棚に飾られた本や時計・花瓶など、キッチンにある食器や鍋・フライパンなど・・・これら全てが小道具である為、その想像は決して間違いではありませんが、その小道具が飾られている、デスクや棚・キッチンの調理台など、大物の家具類も全て小道具の範疇となります。その他、冷蔵庫や電子レンジなどの家電類、テレビやパソコン、カーテンや絨毯など・・・つまりセットの骨組（床・壁・天井・ドア・窓など）以外、部屋の中にある大きな物から小さな物まで、ありとあらゆる物を全て揃えてセットに飾る・・・それが「小道具・装飾」の仕事なのです。